トップページ > キーナーさんとその製品をつくっている人たちのこと |
■ キーナーさんと (※カテリン・キーナーさんは現在は引退されており、製品はスイスのトラウファー社に引き継がれています) |
カテリン・キーナー(Kathrin Kiener)さん【上写真】はもともと幼稚園の先生をしていました。そのころからこどもたちのためにいろいろなものを手作りしていて、その物づくりの思いが強くなり、幼稚園の先生をやめ1973年におもちゃ作りの会社をはじめました。
キーナー社の大きな特徴は製品を自社で作らず、外注で生産をしていること。
これはデザイナーとしてものづくりにできるだけ多くのエネルギーを注ぎたいとの考えからだそうです。
そしてそのキーナーさんが外注先として選んだのがチューリッヒ郊外にある更生園に併設されている木工所で、ここでは自閉症やアルコール中毒者、また心に問題のある50人余りが寮生活を送りながら、社会への復帰を目指して、施設の責任者や技術指導の人たちのもと仕事に励んでいます。
●チューリッヒ郊外ロッサウにあるチューリッヒ市立の更生園 《Werk und Wohnhaus zur Weid》 |
そこでは、ある人はキーナーメモリーのカード1枚1枚を丁寧に仕分けし、またある人はそれを組み合わせてセットにするのが仕事です。それぞれが決められた仕事を自分のペースでこなしていきます。
●たくさんのカードを1枚1枚仕分けするのがこの人の仕事 | ●傷物を省いてセットにするのは別の人の仕事 |
またキーナー蝶の触角を取り付けたり、羽を切り出す人など、治具を自作して正確な仕事をする職人さんもいます。
●キーナー蝶の触角を挿す穴の位置を正確にあけます | ●「小さな穴に入れる接着剤の量は微妙な加減で腕の見せどころさ」 | ●面取りを一定にするための治具 |
●合板を何枚も重ねてひとまとめにした、切り出す前のキーナー蝶の羽 | ●左の一束を一度に切り出します | ●完成間近のキーナー蝶 |
この木工所では、部屋の天井からキーナーさんデザインのモビールがたくさん吊るされていたり、作業する人自作の素敵なデザインの道具置きなどが使われていたりと、《工場》というより《アトリエ》といったほうがふさわしい空間です。
●キーナーさんデザインのモビールが工房のあちらこちらに吊り下げられています |
●作業者自作のちょっとポップな筆置き | ●??? でも時の流れを感じます | ●工房外観 |
また、モノを大事にする姿勢にも感心させられます。
印刷ミスをしたキーナーメーリーの合板は、キーナーさん独特の赤いハートに生まれ変わります。また、廃材は一ヶ所に集められ燃料として暖房等に使用されます。
●ハートの裏はキーナーメモリーの柄 | ●廃材は細かく粉砕して燃料として利用されます |
施設では木工所のほか農園や酪農も営まれており、自然に恵まれた環境の中、整然とした秩序が保たれ、国の援助もありながら自給自足の営みが成立している社会のようです。
●がりとん が松阪という地方都市にあることを伝えると『松阪牛』の飼育方法について尋ねられました!(でもごめんなさい、わかりません・・・)松阪牛はスイスでも有名なようです。 |
●牛や馬は広い草地でゆったり | ●800羽の鶏が飼われています | ●いろいろな花もたくさん |
●昼休みにはここでのんびりと休憩 | ●素敵なポスト? | ●訪問したときはちょうど10月 |
また、この木工所とは別にチューリッヒ市内の工房ではキーナーメモリーなどの印刷がなされています。ベニヤ板に直接オフセット印刷するこの技術をもった人はここの主の Arnold von Siebenthal さんのほかには世界に数人だけとのこと。ここでも丁寧に仕事がこなされています。
●この工房でベニヤ板にオフセット印刷されます。 この技術をもった人はここの主の Arnold von Siebenthal さんのほかには世界に数人だけとのこと。 |
●印刷の前にベニヤ板を丁寧に研磨し表面をなめらかにして、 黒・青(シアン)・ピンク(マゼンタ)・黄の順に版を重ねてゆきます |
このほか個人のデザイナーとしても名の知られたキーナーさん。有名なところではネフ社でキーナーモザイク(大)、キーナーモザイク(小)などが作られています。
●●● キーナーさんデザインの製品はこちらからどうぞ | |||||||||
キーナー蝶 | キーナー モビール |
本 | キーナー オルゴール |
キーナー メモリー |
キーナー ロット |
キーナー 動物ドミノ |
キーナー モザイク大 |
キーナー モザイク小 |