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■ ギュンターライヘルの人形たち |
●どこでつくられているか | ||
ギュンターライヘル(ギュンターライヒェル)/Guenter Reichel社はドイツの東、エルツ山地のPobershauという、チェコとの国境まであと数キロという村にあります。 冬は深い雪に覆われる景色の美しい場所です。 |
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●工房外観 | ●社長のGuenter Reichel氏 | |
1989年に創業という比較的新しい工房ですが、小さな木製の人形をつくるその製法は誠実に伝統工芸技術が守られており、製品の細部にいたるまで丁寧に手作りされています。 | ||
●どのようにつくられているか |
この生き生きとした動きを表現するためにはひとつひとつ丁寧な仕事がなされます。ここではその工程をご紹介いたします。 |
ギュンターライヘルの人形たちが作られる伝統技術というのはこの地方で昔から使用されている製法、つまりろくろ挽きされたパーツと、ライフェンドレーエン(ドーナツ状に木を刳り、放射状にスライスしていく方法)により作られたパーツを組み合わせて人形を組み立てるという方法です。もちろん現代ではろくろ挽きには電動機械が使用されていますが、その後の加工は手作業です。 | ||
●ろくろ挽きされたパーツ | ●ライフェンドレーエンによるパーツ | |
まず、旋盤を使って元となる形が削り出されます。その形や大きさは仕上げるパーツによりさまざまですが、どれも《荒く削る》・《かんながけ》・《切断》の3工程が繰り返され、同じ形のものをある程度の数量をまとめて削り出してゆきます。 | |
●削る・かんながけ・切断を繰り返し、パーツを削りだしていく | |
そしてそれを使用される部位の形になるようにカットします。例えば繭のような形のものを縦半分に切って足としたり、細長い円錐状のものを斜めにカットし、腕・ひじの部分にしたりと、ジグを用いて正確な大きさや角度となるよう、手作業で一つ一つカット及び穴あけがなされます。 | ||
●ろくろ挽きされたパーツを縦にカット | ●パーツに角度をつけて穴あけ | |
●足 | ●腕・ひじ | |
できたパーツは基本的に組み立てられる前のこの段階で彩色されます。小さなパーツが多いので、先端のとがった棒にさし、それを手に持って彩色、そのまま乾燥させます。 | ||
●彩色され乾燥中 | ●彩色・乾燥の際、パーツにさして使う先端のとがった棒 | |
●丸い点は棒の先を使って表情を出す | ●例外的に天使の羽は本体に接着してから着色 | |
その後、人形の形へと組み立てられるのですが、ここでも大事なのがそのパーツの位置と角度です。生き生きとした動きを表現するにはそれぞれのパーツに決められた位置と角度を正確に接着しなければなりません。人気の高い守護天使シリーズの羽の位置だけでも12種類(2007年6月現在)。パーツのカットを含め、1つの人形を製作するのに20〜30のジグを使うとのこと。工房にはこれでもかというほどたくさんのジグがあふれかえっていました。 |
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●1つ1つ角度の異なるたくさんのジグ | |
そしてそれぞれの人形に応じたジグを用いて丁寧にパーツが接着されます。小さなパーツでもその角度一つ一つが人形の命です。指や、場合によってはピンセットを用いて、ジグの角度に沿うように丁寧にパーツを接着していきます。パーツが小さいので接着剤を塗る際には先の細い筆を使います。 | |
●彩色されたパーツに先の細い筆で接着剤を塗って接着 |
●ジグの傾斜に沿って天使の羽を接着 | ●組立を待つ人形(特別バージョンの大きいサイズです) | |
同じような形にも見える人形たちですが、訪問した2007年6月現在、482種のパーツがあるとのこと。そしてそのパーツのほかにもそれを一定の形(人形の持ち物、かばんや楽器など)まで組み立てたものも部品として準備・保管されています。小さい人形ながらもその部品の種類は多く、管理もなかなかたいへんなようです。 | |
●一定の形にまで仕上げられたパーツ | |
●人形を彩る樹木の幹にはHeidelbeere(コケモモ、ブルーベリー)の枝が、葉にはヘチマやコケが使われており、そのため仕上がりの色や形が一つずつ異なります。 | ||
●デザイナー |
そしてそのデザインはアンドレアス・フライシャー/Andreas Fleischer氏によるものです。 こんな素敵な人形たち。傍に飾っておくととてもやさしい気持ちになれる・・・かも。 |
●●●ギュンターライヘル社の製品はこちらからどうぞ | ||||
●守護天使 | ●村の生活 | ●キューピッド | ●クリスマス |