木のおもちゃ がりとん > がりとんの特集記事一覧 > メルクリン便利帳 > H氏がメルクリンにはまった理由〜客車に明かりが灯った
H氏ががりとんのレイアウトをぼんやり見ている時の事。 「がりとんさん、この客車って車内に照明がついてます?」 「LEDの照明がついてますよ^^取り付けてみますか?」 「それでも客車によって付く付かないがあるんじゃないですか?わたしのは付きますか?」 「基本的には機関車の底についている集電シューと同じようなものを客車に取り付けることができる穴や昔の客車の場合、U字溝があるタイプであればLEDを取り付けることができますよ。」 「じゃあ、試しにやってみようかあなぁ。一度家に戻って客車を取ってきますのでレクチャーお願いします。」 「では後ほど〜」 (※これらの改造作業は電気的な作業も伴いますので注意して作業していただき自己責任でお願いいたします。破損・怪我等につきましては弊社では責任を負えませんので予めご了承ください。) そして数時間後・・・ 「客車持ってきました!」 「では早速準備しましょうか。」 【用意するもの】 「客車についている台車の形状よって用意するものが若干異なるのですが、まず、この客車の場合だと台車のこの位置に穴が開いているタイプなので集電シューは品番が73406ですね。」 「どうしてわかるのですか?」 「台車に穴が開いているタイプ用の集電シューには品番が73404と73405、73406の3種類が現在では一般的ですが、時代や形状によりどれを選択するかが変わってくるのです。」 「集電シューのこの位置を見ると、3種類で端にあるもの(73406)、真ん中にあるもの(73405)、ちょうどその中間にあるもの(73404)がありますよね。」 「はいはい」 「客車の台車にも同じように穴と台車の関係が3種類ありましてね・・・」 「台車に集電シューを取り付けた時、横から見て台車から集電シューがはみ出さないように取り付けることができるものを選択するのです。」 「ほー」 「お次はLED照明基板ですが、品番73400の白色と品番73401の電球色の2種類ありますけど、これは色の違いだけなのでお好みでどうぞ。」 「よくわからないので両方の色を付けてみて実験してみます。」 「それと、この長さの客車の場合は一両に2個のLED照明基板が必要となります。」 「最低で一両にこれだけあれば取り付けることが可能ですが、補助や念の為にということでテスターと爪楊枝などを用意しておくと便利です。」 【客車の解体】 「まずは客車の貫通幌(客車間をつなぐ通路を覆う幌の事)を指でつまんでググッと引っ張り外します。」 「このぽっちがボディのロックを兼ねているのでこの状態になると客車のボディーが外れる仕組みです。」 「めっちゃ引っ張っていいですか?」 「あまり慎重すぎるのもなんですが、力任せも割れてしまう原因になりますので、様子を見ながら大胆にというイメージでしょうか。」
「おっ、思ったより簡単にポロッと外れました。」 「両側とも貫通幌が外れたら次はボディと床部を外しますね。」 「少しずつボディーを外側に広げながら外していくのですが、この時客車の内側に固定用の小さな爪があるので、これを折ってしまわないよう慎重にゆっくりと外すようにしてくださいね。」 「なんだかとっても緊張します・・・」 「こんな時、先ほど用意した爪楊枝など細いものがあると、手で広げてできた隙間に爪楊枝を差し込み少しずつゆっくり広げながら外すことが出来るので便利です。」 「なんとか外れました!」 「次は座席と床の一体パーツを外すのですが、先ほどのボディと同じように爪があるので、ボディと同じ要領で慎重に外すとこんな姿になります。」 「これで解体終了一安心です。」 「ひやー、変なところに力が入っちゃって肩が凝りました!」 【集電シューとグランドスプリングの取り付け】 「ここからは電気回路を作る作業となりますよ。」 「でもやっていることは小学校で習った豆電球をつける実験みたいなものなので安心してください。」 「メルクリンの場合、交流なのでプラスとマイナスという表現をすると語弊があるのですが、集電シューのプラスから入ってグランドスプリングのマイナスに流れるというふうに頭の中で想像してください。」
「まずはトラックのプラス側であるセンターレールから電気を取り込むための集電シューを取り付けます。」 「品番73406に付属の集電シューを進行方向側の台車の穴に差し込み取り付けますが、シューから伸びている黒ケーブルも穴に一緒に入れ込み、客席側に引っ張りあげます。」 「次にトラックのマイナス側であるレールに接触しているのは車輪なので、その軸に銅板でできたグランドスプリングを接点として接続させる工程です。」 「車両後ろ側の台車を外すのですが、このあたりをちょっとつまむと外しやすいです。」 「外れたら台車の車輪も引っ張って外します。」 「今度は車輪の外れた台車に品番73406に付属のグランド用スプリングを取り付けますが、集電シューの時と同様に茶ケーブルを穴に通しながら裏表にも注意して取り付けます。」 「グランドスプリング中央の端に爪がありますので、この爪が台車中央の溝に入るようになっていますよ。」 「取り付けた後、スプリングの4本の足が周囲に干渉していないか確認してくださいね。もし足が出すぎて干渉している場合は足の先をカットしてください。」 「車輪を元のように取り付け、グランドスプリングの4本の足が車軸にしっかりあたっていることを確認してください。これはアースとなりますので重要です。もし当たっていない場合は一旦車輪を外し、足を車軸側に少し曲げ調節します。」 「台車を元のように取り付け・・・」 「グランドスプリングと集電シューからのケーブルを座席と床の一体パーツの穴から通し元のように取り付けたら下半分は完成です。」 「あー、なるほど!これでプラスとマイナスの配線ができたから、あとはこの2本の間に電球をつけるだけですね?」 「正解!あと少し頑張りましょう。」 【LED基板の取り付け】 「品番73400(もしくは73401)にはLED基板以外に白い樹脂パーツが2個入っています。」 「これはLED照明基板を固定するパーツなのですが、内側に溝が2つありますよね。」 「これはLED照明基板の高さを2段階に調整できるようになっていて、屋根までの高さがあまりない場合は上側を切り離し低く設定することができて、屋根までの高さがある程度余裕がある場合はこのままの状態で上の溝に挟むようにして固定します。」 「今回の客車だと仮付して高さをみると切ったほうがよさそうなので、切っちゃいますね。」 「LED照明基板2枚をドッキングさせ・・・」 「基板固定用の白いパーツも取り付けたら・・・」 「樹脂パーツの下側の溝を利用して、樹脂パーツを立てるように座席の背もたれの上に乗せます。」 「基板の向きはありますか?」 「良いところに気が付きましたね。基板の両端にはコネクタがありますが片側はオスもう片側はメスのコネクタが付いてますよね?」 「はいはい」 「集電シューのついているほうにオスコネクタがくるように取り付けてください。」 「で、肝心の配線ですが、電気的に調べればどこのコネクタに取り付ければよいのか分かるのですが、分かりやすいケーブルの取り付け方は、今回の場合、集電シューから出た黒ケーブルは進行方向に向かって一番左のコネクターに取り付けます。」 「また、後方のグランド用スプリングから出た茶ケーブルは進行方向に向かって一番右に取り付けます。」 「うまくできました?」 「これでボディを付ければ完成ですが、間違っていないか確認する意味で幾分裸で恥ずかしい光景ではありますが、この状態でちょっとテストしてみましょう。」 「コントローラーのSTOPボタンを押した状態で客車をトラックに載せ・・・STOPボタン解除!」 「おー!」 「最後にボディと幌を取り外しの時の注意点を考えながら元の通りに取り付けたら完成です。」 「簡単にできました!あとの客車も同じように進めればよいのですね?」 「そうなのですけどね・・・」 「1両に1つずつ集電シューが取りついていると集電シューの摩擦により重たく感じたり、音がカシャカシャうるさいなーと感じたときは・・・」 「感じた時は?」 「客車の並び順を変えても、どの客車1両になっても照明を点けたい場合はこの集電シューを個別で取り付ける方法しかないのですが・・・」 「例えばこの3両は並び順が決まっていて変更しないというルールの場合のみ・・・」 「集電シューは1個だけでよい方法もあるのですが、この方法もやってみます?」 【導通カプラー仕様の客車への改造】 「この場合はこんなカプラーに変更するのです。」 「これ導通カプラーといいまして、カプラーの接触部分が銅パーツでできています。」 「ちなみに品番が72020と72021の2種類ありますが、この2種類は結論からお話しするとどちらでも取り付けることが可能です。」 「では何故種類あるのですか?」 「72021には導通カプラー2個と各種接点用金属パーツ、LED基板に簡単に配線を取り付けられるようコネクター付ケーブルが付属しています。」 「それに対して72020には導通カプラー2個と各種接点用金属パーツは含まれていますが、汎用性が高くなるようケーブルは付属されていません。その代わりにケーブルを接続させる端子が付いています。」 「ですのでLED基板でも好みのケーブルを用意してはんだ付けしてしまえば72020でも問題ないのですが、簡単さからいえばLED基板を取り付ける場合は72021をお勧めいたします。」 「了解しました。」 「で、この導通カプラーとやらは差し込むだけでOKですか?」 「いえ、ちょっとだけ変更が必要です。」 「えーーー!ちょっとショックです。」 「でもこれは今回だけのことなので、この際頑張りましょうよ。」 「さて、話は座席と床の一体パーツを外したところまで遡ります^^;」 「更に今回は集電シューがある側とは逆、客車を連結する側の《標準カプラー》と《コの字型の金属板》を外します。」 「カプラーはカニのはさみのように先が二つに分かれていてカプラーポケットに差し込まれると広がって抜けないようになっている構造なので、外す時はこの二つに分かれている部分を逆に絞り込むような感じにするとするっと抜けます。」 「慣れが入りそうですが何とか外れました。」 「あれ?今度はコの字型パーツが外れません!!!」 「これは車両の内側方向にスライドさせて上に引き上げるのですよ。」 「あっ、外れました!」 「この取り外し作業ではV字型のパーツに小さなスプリングが付いていますが、くれぐれもこの小さなスプリングを飛ばしてしまわないように注意してください。」 「スプリングに注意しながら客車のV字型樹脂パーツの上に品番72021に付属のV字型金属パーツを取り付けます。」 「この時V字型の金属板が浮かないようにきっちりと奥まで差し込むようにしてください。」 「でも、うまく入ってもV字型金属パーツの先端が浮いてますけど大丈夫ですか?」 「これは上からかぶせるコの字型金属板との接点になるので浮いていて正解です。」
「先ほど外したコの字型金属板を元の様に取り付けます。」
「次は72021に付属の導通カプラーを取り付けるのですが、先ほど取り付けたV字型金属パーツの先端がカプラーポケットに入っていると思います。この先端と導通カプラーがうまく接触するよう入れれば良いのですが、このまま入れると金属パーツが邪魔をして中にうまく入らない場合があります。導通カプラーのポケット側に伸びている金属パーツをなるべくカプラーに沿わせるように指で押さえつつ入れるようにしてください。」 「コの字型金属パーツから立ち上がっている端子に72021に付属の赤ケーブルを差し込みます。」 「後は座席と床パーツを取り付け、配線方法は先ほどと同じ要領で行い・・・」 「その配線が終わったらもう一つ配線を追加、先ほどコの字型金属パーツに取り付けた赤ケーブルをLED基板のメスコネクターの一番左に取り付ければ完了です。」 「これで完了です。」 「思ったより簡単でした!」 「念の為、テスターをお持ちのお客様は一応通電(照明を点ける)する前に集電シューと後ろの導通カプラーで導通している事を確認する意味でチェックしてみましょう。」 「最後にボディと幌を元の通りに取り付けたら完成です。」 「2両目以降は本来集電シューが取りつくほう、今回の場合ですと進行方向に近いほうのみ、さっきと組立てがちょっと異なります。」 「集電シューは取り付けない代わりに先ほどとお同じ要領でV字型金属板とコの字型金属板、更に導通カプラーを取り付けます。」 「そして品番72021に付属のメスコネクター付茶ケーブルの圧着端子側をコの字型金属板に取り付け、もう一方を基板の進行方向向かって一番左(集電シューからのケーブルを取り付けた場所と同じ)に取り付けます。」 「客車の後ろ側の配線につきましては先ほどの工作と同じ要領です。」 「これで2両目以降が完成しました。」 「カプラーをドッキングさせてすべての車両が点灯するか試してみましょう。」 「(右側の写真)右が白色LED、左が電球色LEDですが色がはっきり異なりますでしょ?」
「どちらも魅力的ですね。」 「今回は集電シューを先頭の車両に取り付けましたが、今後セントラルステーションを使った自動運転をする場合に集電シューを後ろに設定するようにしなければならない場合もありますのでセンサーの種類により考えながら前でよいのか後ろのほうが良いのか判断してくださいね。」 「自動運転?」 「それは後々セントラルステーションをお買い求めいただいた時にでも^^」 【おまけ】 「赤いテールランプも付きます?」 「マーカーランプでしょ?つきますよ。」 「種類は品番73407と73409の2種類ありますが、現在ではほとんどが品番73407です。」 「この2種類の違いは床からマーカーライトまでの高さです。」 「客車の後ろから前に見てこのように基板を床の丸ぽっちに差し込むように取り付け・・・」 「マーカーランプの向かって右側の配線をLED基板の左端のコネクターへ、向かって左側の配線を右から2番目のコネクターへ接続すればOKです。」 「いやぁ、とてもカッコよくなりましたねぇ。しかも自分で取り付けて感動です^^」
木のおもちゃ・木製玩具・童具館,ネフ社の積み木・ドールハウス・鉄道模型メルクリン|Copyright © 2002- Galiton. All rights reserved.