童具工房探訪記
どうしても知りたかったことがありました。
どうしても見たかったことがありました。
それがやっとのことで実現したのです。
童具工房は延べ床面積200坪、製造部門、製品管理、倉庫部門からなる建物です。
では、さっそく中に入らせていただきましょう。
搬入口にドンと構えておりますのは、WAKU-BLOCKに成るべく順番を静かに待っている材料です。
《人工乾燥機》という材を乾かす《釜》がありまして、その釜から出てきた材料を積み上げてあります。
この人工乾燥機に材を入れ乾燥させることにより、木に含まれる水分の割合(含水率)が6%〜9%になります。このままいきなり加工してしまうと、日本という土地柄、乾燥時期、多湿時期の差が激しい為、結果製品加工後、大きくなる率が高くなってしまいます。その為なるべく日本の気候に耐えられるよう《もどし》をしているのです。
乾いていればそれでいい、というものではないのです!
WAKU-BLOCKのできるまで。
下準備としてこの板材を適当な長さに寸法切りし、それらを角材に切ることから始まります。
今回デモンストレーションとして見せていただいたのはWAKU-BLOCK45の立方体ですので、この時点で角材のサイズは出来上がりサイズの45mm+3.5mmでカットされています。
この3.5mmのプラスはその後仕上げをしていく為の削りしろです。
本来の工程ですと、この時点でさん積みし、含水率がおよそ16%くらいになるまでお休みさせておくそうです。
お休みできたものは、これから仕上げをするべく本格的な加工に入っていきます。
まず最初に角材の長い方向4面のうちの1面をざっとカンナで粗掛けします。
その反対側をやはり同じようにカンナ掛けし、この時点で+3.5mmの削りしろを0.8mmまでに削り込みます。
次に、新しいかんなの刃がセットされた機械で面を綺麗にし、仕上げ用のプレーナーで《超仕上げ》をします。
この時、写真では分かりづらいかもしれませんが、2本まとめて測りなおします。
これは、より正確なサイズに仕上げるための配慮なのです。
●和久さんの真剣な眼差し!
2面の加工が完了したら次は、残り2面の加工です。
ここからは1面ずつ、慎重に直角を測りながらカンナ掛けを行っていきます。
機械や治具を使えば簡単に直角が出るというものではないため、1本ずつ現物をみてあわせながら・・・
●直角を出していきます。 |
●新しい刃で面を整え・・・ |
●3面目の超仕上げ。 |
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ついに最終4面目の加工です。
先ほどの3面目と同じ要領で直角を見つつカンナ掛けしていきます。
この時やはり2本でなにやらごそごそ???
材となっている角材をプレーナーに通した時どうしても最後が浮き上がる為、微妙に削れ過ぎになり、その結果反りが出てしまいます。それを考慮しつつ、反対側から、もう一度通し、反りを無くしているのです。
サイズも2本で測り微調整して、ついにきれいな角材?の完成です。
ここまでくればあと一歩。
45mmにセットしたテーブルソーを使い、バリが出ないよう当て木をして刻んでいきます。
出来立てほやほや、WAKU-BLOCK45の立方体の完成です。
・・・。
おっと!肝心なことを忘れていました。
これで完成では無いのでした。
最初の写真の人の話を忘れるところでした。
この方のしていることは何か?
ぱっと見た目では完成したように見えるWAKU-BLOCKですが、実はもう一手間あるのです。
最初に登場した謎の人物の正体が今明かされます。
この方は出来上がった積み木を検品しつつ、分からない程度の面取り、通称《糸面》と呼ばれる面を取る作業をしている方なのです。
うっすら見事に掛けていきます。
これで本当に完成です。
この後もう一度チェックし箱詰めされます。
WAKU-BLOCKはこれだけの工程と人の手があって初めて出来上がっているのです。
どうです?すごいでしょ?
私もちょっとビックリしました。
積み木にここまでの情熱。
さすがWAKU-BLOCK、定冠詞を付けたいくらいです。
2階への階段が・・・!
この工房は2階建てになっており、1階が工場、2階は品質管理、倉庫となっています。
お伺いした時、2階ではちょうどマグネットモザイクのマグネットを貼っているところでした。
なるほど、とか、びっくり!、とか、いろいろありましたが、本当に楽しい見学会でした。
お仕事中にもかかわらず、ぞろぞろお伺いして申し訳ございませんでした。
お邪魔だったとは思いますがそれでも笑顔で迎えてくださった工房の皆さんに感謝いたします。
良いものをいつまでもお願いいたします。
最後に少し・・・。和久さんの積み木遊び風景です。
(本当は参加メンバー全員で積み木遊びをしていました)
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